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●健康のために No.3

●たばこをやめるには

 たばこを長年吸っている方にとっては「一服する」という習慣は生活の一部になっていて、たばこをやめるというのはそう簡単ではないかもしれません。体に悪いことは重々承知はしていても、なかなかきっかけがなくて...という方もいらっしゃるかと思います。

 たばこを吸う理由として「いらいらしていたのがたばこを吸うとおさまる」「集中力が高まる」といったことを挙げる方が多いようです。裏を返すと、たばこを吸わないでいるといらいらしたり、集中力が落ちたりするということになります。実は、これはたばこに含まれるニコチンの禁断症状なのです。

 たばこを吸わないでいると「いらいらする」「不安を感じる」「集中できない」といいった禁断症状が現れます。たばこを吸うと治まるため、症状がないようにたばこを吸い続けるようになり、たばこをやめられない状態となります。たばこを吸うと「いらいらがおさまる」「集中力が上がる」と思っていたのは禁断症状がおさまったための錯覚に過ぎないのです。こうした状態は、最近では「ニコチン依存症」という一種の病気であることが分かっています。

 つまり、「たばこをやめる」ということは、単に習慣を変えるということだけではなく、「ニコチン依存症」という病気を克服しなければならないのです。禁煙にあたってはご本人の「やめたいという強い意志」が必要です。ただしそれだけではなく、依存症への対処が重要となるのです。

 具体的には、無理のないたばこの本数の減らし方、どうしても吸いたくなったときの対応などを知っておくことが必要です。また、禁煙していく途中で起きた禁断症状をやわらげるような薬もあります。たばこをやめることをお考えの方は、一度主治医にご相談することをお勧めします。

タバコと健康

 たばこが体に害を与えることは以前からよく知られていますし、ここ数年は健康増進法が制定されたこともあり交通機関など公共の場ではほとんど禁煙となっています。その一方で数十年来たばこを吸っていてどうしてもやめられないという方もいらっしゃると思います。今回はたばこが健康に与える影響についてまとめてみました。

●たばことCOPD

 COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは長年たばこを吸い続けていた方に多い肺の病気で、症状が20〜30年かけて非常にゆっくり進みます。症状が進むと、咳、たんが続いたり息切れが出やすくなります。肺の生活習慣病ともいわれ、40歳以上では12人に一人がかかっているといわれています。 治療はたばこをやめることが第一で、早くやめるほど症状が軽くてすみます。

●たばこと動脈硬化

 メタボリックシンドローム(高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、内臓脂肪)により動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳梗塞の原因となりますが、たばこはこれを悪化させます。メタボリックシンドロームそのものがたばこにより悪化することも分かっています。

●たばこと発がん

 たばこが肺がんの危険因子であることはよく知られています。最近のニコチンやタールが少ないたばこでも危険性が少ないわけではありません。肺がんだけではなく、喉頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなどの危険因子となります。

●たばことぜんそく

 たばこの煙に含まれる微小の粒子が刺激となってぜんそくを悪化させます。たばこを吸われるご本人はもちろんですが、特にぜんそくをお持ちの小さなお子さんがいらっしゃる場合は、同じ家に住む方はたばこを必ずやめるべきです。ちなみに、原因となる微粒子は空気清浄機では除去できないことが分かっています。

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